皆さん、おはようございます。
本日は、本年度最後の広布唱題会に当たりまして、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。
本年も既に師走に入り、いよいよ明年の日興上入御生誕七百七十年の佳節まで残り八十日余となりましたが、皆様方には折伏誓願達成を目指して、昼夜を別たず、僧俗一体となって御精進のことと思います。
もちろん、このなかには既に法華講員五〇パーセント増の誓願を達成された支部もありますが、未達成の支部は、なんとしてでも明年三月の期日までには、必ず誓願を達成されますよう、心から願うものであります。
そもそも、折伏は仏様から与えられた尊い使命であります。
法華経法師品を拝しますと、
「善男子、善女人、我が滅度の後、能く竊に一人の為にも、法華経の、乃至一句を説かん。当に知るべし、是の人は則ち如来の使なり。如来の所遣として、如来の事を行ずるなり。何に況んや、大衆の中に於て、広く人の為に説かんをや」(法華経 三二一頁)
とあります。
「如来の使」とは、如来より遣わされた者、すなわち仏様の使者のことで、仏様の代理として振る舞う人のことであり、わずか一人のためにも妙法を説き、折伏を行ずる人は「如来の使」であると仰せられているのであります。
「如来の所遣」とは、如来に遣わされる人の意で、「如来の使」と同じ意味であります。
「如来の事を行ずる」とは、仏様が示された真実にして不変不滅の妙理を衆生に説くことでありまして、『法華文句』には、
「今日の行人は能く大悲有って、此の経の中の真如の理を以て衆生の為に説いて利益を得せしむ。亦如来の事を行ずと名づくるなり」(学林版文句会本中 六三五頁)
と、このように釈されています。
すなわち、たとえ一人のためにも妙法蓮華経を説くならば「如来の事を行ずる」ことになると仰せられているのであります。
まさに、これらの御文を拝するとき、私どもは「如来の使」として、広布への大事な使命を帯びて、一人でも多くの人のために御本仏大聖人の妙法を下種し、折伏を行じていくことが、いかに尊くすばらしいことであるかを強く感ずるものであります。
大聖人様は『唱法華題目抄』に、
「末代には善無き者は多く善有る者は少なし。故に悪道に堕せん事疑ひ無し。同じくは法華経を強ひて説き聞かせて毒鼓の縁と成すべきか。然れば法華経を説いて謗縁を結ぶべき時節なる事諍ひ無き者をや」(御書 二三一頁)
と仰せであります。
「毒鼓の縁」とは、既に皆様も御承知のように、毒鼓とは毒薬を塗った太鼓のことでありまして、涅槃経に、
「毒薬を太鼓に塗り、大衆のなかにおいてこの太鼓をたたくと、太鼓の音を聞こうとする心がなくとも、これを聞けば皆死んでしまう」
とあります。
すなわち、たとえ法を聞いて、信じようとせず反対しても、妙法を耳にしたことが縁となって、やがて煩悩を断じて成仏できることを、毒を塗った太鼓を打つことに讐えているのであります。
つまり、謗法の者に対して、強いて妙法を説き聞かせることは、結果的にそれが縁となって成仏に至ると仰せられているのであります。これを逆縁とも言うのであります。
これは涅槃経に、
「一切衆生悉有仏性」
と仰せのように、一切衆生には皆、仏性が具わっており、正法を聞き、発心・修行することによって仏性が開かれ、成仏することができると示されているのであります。
したがって、末法今時では順縁の衆生はもとより、たとえ逆縁の衆生であっても、強いて三大秘法の南無妙法蓮華経を聞かせることによって、正法と縁を結ぶことになり、将来、必ず救済することができるのであります。
されば『法華初心成仏抄』には、
「とてもかくても法華経を強ひて説き聞かすべし。信ぜん人は仏になるべし、謗ぜん者は毒鼓の縁となって仏になるべきなり。何にとしても仏の種は法華経より外になきなり」(御書 一三一六頁)
と仰せられているのであります。
今、宗門は、明年三月の第二祖日興上人御生誕七百七十年、法華講員五〇パーセント増の達成へ向けて、僧俗一致の戦いを展開しておりますが、さらにその先には、平成三十三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築の大目標が控えており、そのためにも、法華講員五〇パーセント増はなんとしてでも全支部が達成しなければなりません。
そして、その達成の功徳をもって、さらに平成三十三年の目標へ向けて前進し、全支部全講員が等しく大御本尊様の御照覧を仰がれますよう、心から願うものであります。
一方、それに引き替え、創価学会は、無惨にも本門戒壇の大御本尊に対する信仰を否定する、類なき大謗法を犯し、多くの会員を謀り、不幸に落としめようとしています。
されば、私どもは創価学会員に対してその誤りを糾し、一人でも多くの人を救っていくことが肝要であります。
私どもは、血脈正統の本宗に身を置く福徳を心から感謝するとともに、なお一層の精進と団結をもって破邪顕正の折伏を実践し、すべての支部が誓願を達成して、記念すべき第二祖日興上入御生誕七百七十年を晴れて迎えられますよう心から念じ、本日の挨拶といたします。
大白法 平成26年12月16日刊(第899号)より転載