そもそも、大聖人様の御一生は「『立正安国論』に始まって『立正安国論』に終わる」と言われておりますが、まさしく私達は、この『立正安国論』の精神を心肝に染め、真の世界平和実現と全人類の幸せを願って、妙法広布に生きることこそ、今、最も肝要であります。
大聖人様は『持妙法華問答抄』に、「寂光の都ならずば、何くも皆苦なるべし。本覚の栖を離れて何事か楽しみなるべき。願はくは、『現世安穏後生善処』の妙法を持つのみこそ、只今生の名聞後生の弄引なるべけれ。須く心を一にして南無妙法蓮華経と我も唱へ、他をも勧めんのみこそ、今生人界の思出なるべき」(御書 三〇〇ページ)
と仰せであります。
今、宗門は、僧俗一致・異体同心の団結と体勢をもって、来たるべき平成三十三年・法華講員八十万人体勢構築へ向って、一歩一歩、力強く前進をしております。
一方、目を転じ、今日の混沌たる世情を見る時、末法濁悪の様相そのままに、人心は撹乱し、ために残酷で無慚な事件や事故が相次ぎ、政治も経済も、教育も外交も混沌として問題を山積し、解決の出口が見えないまま、混迷を極めているのが現状であります。
この時に当たり、私達は一人ひとりが『立正安国論』の精神をもって、力の及ぶ限り、世のため、人のため、真の仏国土実現のため、進んで妙法広布へ挺身し、正義を顕揚して、もって得難き青春をこの上なき価値あるものとされますよう心から念じ、本日の挨拶といたします。