令和6年1月度広布唱題会の砌 於 総本山客殿

 「折伏前進の年」、新年、明けましておめでとうございます。
 皆様には、立宗七百七十二年の新春を迎え、決意も新たに、いよいよの精進・御奉公をお誓いのことと存じます。
 さて、大聖人様は『立正安国論』に、
「嗟呼(ああ)悲しいかな如来誠諦(じょうたい)の禁言(きんげん)に背くこと。哀れなるかな愚侶(ぐりょ)迷惑の麁語(そご)に随ふこと。早く天下の静謐(せいひつ)を思はゞ須(すべから)く国中の謗法を断(た)つべし」(御書247)
と仰せであります。
 この御文は皆様もよく御存じのことと思いますが、今日の世界の情勢を見ると、まさしく末法濁悪の世相そのままに、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延をはじめ、いつ世界戦争に発展しかねないウクライナとロシアの情勢など、様々な異変や難事が惹起し、世情騒然とした様相を呈しております。これらの現象を『立正安国論』の原理に照らして見る時、
「世皆(みな)正に背(そむ)き人悉(ことごと)く悪に帰す。故に善神国を捨てゝ相(あい)去り、聖人所を辞して還らず。是(ここ)を以て魔来たり鬼(き)来たり、災(さい)起こり難(なん)起こる。言(い)はずんばあるべからず。恐れずんばあるべからず」(御書234)
と仰せの如く、今日の騒然たる状況は、まさしく邪義邪宗の謗法の害毒によるものであります。
 大聖人様は『聖愚問答抄』に、
「今の世は濁世なり、人の情もひがみゆがんで権教謗法のみ多ければ正法弘まりがたし。此の時は読誦・書写の修行も観念・工夫・修練も無用なり。只折伏を行じて力あらば威勢を以て謗法をくだき、又法門を以ても邪義を責めよとなり。取捨其の旨を得て一向に執する事なかれ」(御書403)
と仰せられ、今日の如き謗法の害毒によって、悪世末法の姿そのままに混沌とした姿を映し出している時、まさにかくの如くなる時こそ、私どもは断固たる決意と果敢なる行動をもって、一人でも多くの人々に謗法の害毒を知らしめ、もって広大無辺なる妙法信受の功徳を説き、破邪顕正の折伏を行じていかなければなりません。
 されば私ども一同、「折伏前進の年」の年頭に当たり、改めて『立正安国論』の御聖意を拝し、なお一層の努力をもって、妙法広布に挺身されますよう心から念じ、本日の挨拶といたします。

(大白法 令和6年1月16日 第1117号 転載)