立宗七百七十年の新春を寿ぎ奉る

 立宗七百七十年の新春を迎え、法華講大講頭・法華講連合会委員長星野浩一郎氏ほか全国法華講員御一同には、清々しく新年をお迎えのことと存じます。

 既に御案内の通り、本年は「報恩躍進の年」であります。

 即ち、各講中共に僧俗一致・異体同心の盤石なる体勢を構築し、仏祖三宝尊への御報恩謝徳のもと、尚一層の精進をもって一天広布へ向けて大きく躍進し、御奉公の誠を尽くしていかなければならない極めて大事な年であります。

 就中、昨今の「新型コロナウイルス感染症」の蔓延によって、世界中が騒然としている状況を見る時、私共は改めて大御本尊への確乎不抜の信念のもと、一人ひとりが身軽法重・死身弘法の御聖訓を旨に蹶然として折伏に立ち上がり、この難局を乗り越えていかなければなりません。

 大聖人は『立正安国論』に、
「広く衆経を披(ひら)きたるに専ら謗法を重んず。悲しいかな、皆正法の門を出でて深く邪法の獄に入る。愚かなるかな各(おのおの)悪教の綱に懸(か)かりて鎮(とこしなえ)に謗教の網に纏(まつ)はる。此の朦霧(もうむ)の迷ひ彼の盛焔(じょうえん)の底に沈む。豈愁(うれ)へざらんや、豈苦しまざらんや。汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ(やぶ)壊れんや。国に衰微(すいび)無く土に破壊(はえ)無くんば身は是(これ)安全にして、心は是禅定ならん。此の詞(ことば)此の言(こと)信ずべく崇(あが)むべし。」(御書250頁)
と仰せであります。

 この御文中、「信仰の寸心を改めて」との仰せについて、総本山第二十六世日寛上人は『立正安国論愚記』に、
「早く邪法信仰の寸心を改めて、速かに法華実乗の一善に帰せよとなり。当に知るべし、『寸心を改めて』とは即ちこれ破邪なり。『実乗に帰せよ』とは即ちこれ立正なり。『然れば則ち三界』の下は安国なり」(御書文段49)
と甚深の御指南を遊ばされています。

 即ち、世の中の苦悩と混乱の原因は、偏に邪義邪宗の謗法の害毒にあり、この謗法を退治し、信仰の寸心を改めて、速やかに実乗の一善に帰す。即ち三大秘法の南無妙法蓮華経に帰依するならば、生死の迷いを流転する六道の凡夫の境界・住処がその侭直ちに仏国になると御指南を遊ばされているのであります。

 されば、末法濁悪の世相の中にあって、あらゆる障魔が紛然として競い起きようとも、私共は断固たる決意と不動の確信のもと、大御本尊の広大無辺なる功徳を真心から拝信し、講中の総力を結集して、立正安国の御教示を旨に、講中一結して大折伏戦を展開し、もって世の中の平和と全人類の幸せを実現すべく精進していくことが今こそ肝要であります。

 各位の愈々の信心倍増を心からお祈りし、新年の挨拶といたします。

(大白法 令和4年1月1日 第1068号 転載)